【小説】インスタント憑依
Added 2025-08-31 13:35:38 +0000 UTC「あぢぃ……何なんだよ本当に今年の夏は……」
夜勤明けで職場から自宅に帰ってきた俺は、あまりの暑さに意識を朦朧とさせながら床に倒れ込んだ。
疲労と暑さにやられて気だるい体を起こすことすらままならない。
本当ならこのまま眠りたいところだが、何も飲まず食わずのまま寝たらそのまま永眠しかねない。
世間では熱中症での死亡件数が跳ね上がってるなんて話も聞くし、流石にそんな事態だけは避けるべきだ。
俺はなんとか立ち上がり台所に行くと水道の水をコップに入れ、グイッと一気飲みした。
「うぇ、ぬるっ……」
水道管が温まっているのか、温い水しか出ない。
だが、こんなのでも飲まないよりはマシだ。
俺はそのまま何か腹に入れようと冷蔵庫を開けた。
しかし、中身はほぼ完全に空で、使いかけの調味料しかなかった。
「あーあ、また買ってくるの忘れたわ。つーかこんな暑さで買い物なんかする気になるわけねえだろ……」
仕方ないのでこのまま寝ようかとも考えたが、そういえば前に職場で取引先の試供品だかなんだかを貰ったのを思い出した。
部屋の隅に投げ出されていたビニール袋を漁ると、中にはカップ麺が複数個入っていた。
『ヒョウイメン!』とかいう名前の聞いたこともないカップ麺だ。
パッケージには女の写真が写っていて、何かのコラボ商品なのだろう。
とりあえずこれでも食うか。
俺は湯を沸かして飯の準備を始めた。
この『ヒョウイメン!』とかいうカップ麺はいろいろな種類があるらしい。
しかし、どれを見ても映っている女の写真が違うだけで味の違いはよくわからない。
とりあえず俺は『ヒョウイメン!JK!』というパッケージを手に取った。
俺は時計を見て、今が11時35分だと確認した。
出来上がるのは11時38分か。
俺はフタを半分ほど剥がし、カップの中にお湯を注いだ。
すると次の瞬間。
「………………は?」
突然、俺の視界に広がる光景が一変した。
何故か俺の前方には大きな黒板があり、周りには制服姿の学生が大量にいる。
これはまるで学校の教室のようだ。
壁にかかっている時計を見ると、時間は11時35分ぐらいで、さっき確認した時間とあまり変わらなかった。
「それじゃあ次の文を訳してもらうぞ。次は、内藤」
「はい。えー、『実を言うと、彼に暴力を振るったのはあなたの妻ではありません。』」
英語の授業のようなやりとりが目の前で繰り広げられている。
なんだ?
何が起きてるんだ?
俺はさっきまで自分の家でカップ麺を食おうとしてたはずだろ?
そのとき、俺はさらに妙な違和感に気づいて自分の身体を見た。
いつの間にか俺は学生が着るような制服を身につけていた。
しかも、それはどう見ても女物だ。
おかしいのはそれだけじゃない。
さっきから視界の端にチラチラと長い髪が映っているし、俺の胸元は何故だか妙に膨らんでいるように見えるし、俺の手なんて明らかに華奢で小さいものになっていてどう見ても成人男性の手ではなくなっている。
「なんだよこりゃ……」
俺の喉から鳴る声もいつもの俺の声ではなく、妙に高いまるで女のような声だった。
俺は居ても立っても居られず、立ち上がって外に走り出した。
「お、おい!? 新崎、どこに行くんだ!? 授業中だぞ!」
黒板の前に立っていた教師風の男が俺に向かって何かを叫んでいたがそんなことを気にしている余裕はなかった。
俺は学校の廊下のような場所を走り抜け、近くにあった男子トイレに駆け込んだ。
洗面台の前にある鏡を覗き込んで、俺は驚愕した。
「お、おい……これって……!?」
鏡に映り込んだ俺の姿は、どう見ても女子高生の姿をしていた。
まだ成長途中の10代の幼さが残る顔つきで、元の俺とは似ても似つかない。
ん?
この顔どこかで見たような……。
「そうだ、あのパッケージの写真に写ってた女!」
俺が食おうとしていたカップ麺のパッケージに写っていた女と瓜二つの姿だった。
俺が、あの女の身体になっているってことか?
「ど、どうなってんだよこれ!?」
俺は訳もわからず混乱していたが、鏡に映る女子高生も同じように混乱しているのが見えて、なんだか俺を妙な気分にさせた。
よくわからないが、俺がこの女子高生になってるってことは、今は俺の好きにこの身体を動かすことができるってことだよな?
この女子高生、かなり可愛い顔をしていてモデルやアイドルをやってたっておかしくないレベルだ。
こんな女子高生の身体を俺の好きにできるなんて、興奮するじゃねえか。
俺がセクシーポーズを取ると鏡の中の女子高生もセクシーポーズを取り、俺が投げキッスのマネをすると鏡の中の女子高生も投げキッスをする。
俺は愉快でたまらなかった。
「へ、へへ……せっかくだ。じっくり楽しませてもらうぜ……」
俺は女の声でそう呟くと、鏡に映る女子高生の顔をじっと見つめた。
制服を着た可愛い女子高生がニヤニヤと笑いながらこちらを見ている。
男とは違い胸が膨らんでおり、下にはスカートを履いている。
この制服の下にはおっぱいやマンコがあるって訳だ。
今からそれを俺の好きにできる。
俺は涎が出そうになって思わず舌舐めずりをした。
ようし、まずはこのおっぱいをしっかりと揉みしだいて……。
「………………あ?」
すると次の瞬間、俺は自分の部屋の中に戻っていた。
身体も元の男の身体に戻っており、目の前にある出来上がったカップ麺から湯気が出ていた。
「お、おいっ!? なんなんだよ!? さっきの身体は!?」
俺は喚いたが、当然それを説明してくれる者はおらず、俺の声だけが虚しく響いた。
時計を見ると、時間は11時38分だった。
お湯を入れてからちょうど3分が経過している。
俺は3分間ここでぼーっとしていたようだ。
さっきまでのあれは夜勤明けの疲れから見た白昼夢だったのか?
いや、だが確かに俺の中にはさっきまでの感覚があった。
耳にはしっかり授業をしている教師風の男の声が入っていたし、妙に軽い身体で廊下のような場所を走った実感もある。
俺は確かに3分間だけあの女子高生の身体になっていたのだ。
俺はカップ麺のパッケージを見た。
そこに写っていたのは、やはり俺が鏡で見た女子高生の顔だった。
もしかしてこのカップ麺は、お湯を入れてから三分間だけこの人間になれるのか?
嘘みたいな話だが、俺の中には本当の話だという確信が芽生えていた。
俺はすぐにビニール袋に入っている他のカップ麺を漁った。
さっきの『ヒョウイメン!JK!』の他に、『ヒョウイメン!アイドル!』『ヒョウイメン!ギャル!』『ヒョウイメン!アナウンサー!』など、様々な種類があり、どれに写っている女もみな美人ばかりだった。
俺はその中で一番好みの女が写っている『ヒョウイメン!アイドル!』を手に取った。
流石アイドルというべき可憐な美少女が写っている。
こっちを見てにっこりと笑っているこの可愛らしい女に今から俺はなることができるのだ。
想像していると、俺の股間は固く勃起し始めていた。
時計を確認すると、今は11時42分だ。
俺は生唾を飲み込みながら、フタを剥がしてカップにお湯を注いだ。
すると次の瞬間。
「………………っ!」
やはり突然視界に映る景色が切り替わった。
鏡張りの壁がある広い空間で、周りにはジャージを着た女の姿がチラホラ見られる。
「ちゃんと水分補給しときなよ。熱中症になったら洒落にならないからね」
タオルで汗を拭きながらそう言う女は、カップに写っていた女に負けず劣らずの可憐な容姿をしていた。
どうやらここはレッスン室で、アイドルグループがレッスン中のようだった。
って、そんなことを細かに分析してる暇はない。
俺は時計を探して周りを見回した。
壁にかかっている時計の時間は、11時42分を示している。
今から3分しかないんだ。
俺は慌てて鏡張りの壁の前まで移動した。
そこに映っていたのは、ジャージ姿で顔を赤くした可憐な美少女だった。
間違いなく、カップに写っていたアイドルの女だ。
俺は、3分間この身体を自由にできるんだ。
鏡に映った美少女の顔がニタリと笑みに歪んだ。
俺は躊躇うことなく、その場で服を脱ぎ捨てた。
「……え!? ちょっ、カナ!? あんた何してんの!?」
「カナちゃん!? なになに!? どうしたの!?」
周りの女たちが驚きの声をあげているが、そんなのを気にしている暇はない。
俺はブラジャーもパンツも全てかなぐり捨て、あっという間に全裸になった。
鏡には、シミひとつない綺麗な肌の全裸の美少女が映っている。
男の身体とは全く違う、細くしなやかで、随所についた脂肪で丸みを帯びた、柔らかそうな女の身体だ。
当然顔は俺とは全く違う美少女のもの。
だが、その表情は俺の心情と完全にリンクしていて、今も興奮した様子で俺のことを見ている。
俺は鏡に映る美少女と目を合わせたまま、両手で自分のおっぱいを揉みしだいた。
柔らかいおっぱいが、細く小さな手で乱暴に握られ変形する。
自分についたおっぱいを自分で揉むというのは、なかなか不思議な感覚だ。
柔らかいおっぱいを揉む気持ちよさと、おっぱいを揉まれる気持ちよさが同時に味わえる。
「ねえっ! カナっ! やめなって!」
「だ、誰かっ! カナちゃんが、いきなりおかしくなって……!」
周りがどんどん騒がしくなっていくが、当然そんなことを気にしている暇は俺にはない。
おっぱいを揉む感覚を堪能した俺は、今度は手を股間に伸ばした。
そこには男のチンコがなく、代わりに割れ目が存在している。
のっぺりとして何もない感覚というのがすごい違和感だが、これぞ女の感覚というものなのだろう。
俺は割れ目に沿って手を這わせる。
上の方に突起に指が触れると、身体ビクッと震えて痺れるような快感が走った。
クリトリスってやつだろう。
すげえな、これが女の快感なのか。
俺は今の快感をもっと味わうために、俺は右手で重点的にクリトリスを触った。
さらに、俺は反対の手を使ってマンコの穴の周りに指を這わせた。
ヒクヒクと震えて少し湿ってきているのがわかる。
女は感じると濡れるっていうのをこうして自分で体験できる日が来るとは思わなかった。
俺はそのままマンコの穴の中に左手の中指を挿し込んでみた。
身体の内側に指が沈み込んでいく。
指を動かすと、敏感になっているのか僅かな刺激でも声が漏れ出てしまう。
「あっ、んあぁッ……!」
俺の喉から漏れ出るのは、高く澄んだ女の声だ。
これを聞いているだけでも興奮してしまいそうだ。
鏡に映る美少女は、息を乱して気持ちよさそうに喘いでいる。
自分の一挙手一投足が、全て俺を興奮させてくれる。
こんなに効率のいいオナニーが今まであっただろうか。
「ッ、くっくっ……最高じゃねえか、これ……!」
頭に熱が上って、鏡に映る美少女の顔はのぼせたように真っ赤になっている。
潤んだ瞳で喘いでいて、もう今にも果ててしまいそうだ。
俺は最後のとどめとばかりに、指を激しく動かして膣内を刺激した。
そのひと押しが、俺の中に迸る快感を爆発させた。
「んっ、くぅッ、イクッ、ッ、んああぁッ!!?」
跳ねるように身体がビクッと震える。
足までガクガクと痙攣したみたいに震えていて、身体に上手く力が入らない。
俺は思わずその場にぺたんと座り込んでしまった。
快感は未だ身体の中で燻っており、じんわりと心地のいい陶酔感が広がってクセになりそうだった。
これが女のイク感覚か。
めちゃくちゃ気持ちいいじゃねえか。
座ったまま息を整えていると、いつの間にか周りに人が集まって俺に近づいてきていた。
「カナっ! お前何やってんだ!」
スーツを着たプロデューサー風の男が俺に向かって手を伸ばしてくる。
俺は体を上手く動かすことができず、抵抗もできないまま腕を掴まれそうになった。
「………………お、戻ったか」
すると次の瞬間、俺は再び自分の部屋の中に佇んでいた。
時間を見ると11時45分。
お湯を入れてからちょうど3分が経過していた。
さっきまでの女の気持ちいい感覚は消え去り、代わりに勃起したチンコの感覚を強く感じる。
さっきまでなかった感覚がいきなり生えたように思えてすごい違和感がある。
いつもは当たり前にあるものなのに不思議な感覚だ。
「しかし、3分でも結構楽しめるもんなんだな」
きっちり3分でイクところまで体験できて俺はすこぶる満足だった。
夢なんだか幻なんだかよくわからないが、こんな気分が味わえるなんていいものを貰ったものだ。
俺は目の前で湯気を出しているカップ麺を見て笑った。
まさかこんなチンケなカップ麺にこんなすげえ効果があるだなんて誰も思わないだろうな。
「……あ、そういえばカップ麺食おうとしてたんだっけか」
つい勢いで、食べるつもりないのに二個もカップ麺を作ってしまった。
とりあえず俺は先に作った方のカップ麺を箸で啜った。
……すでに伸びきっていたその麺は当たり前のように不味かった。
────────
一眠りをして夜勤明けの疲れを取った俺は、改めてテーブルの上にカップ麺を並べていた。
開封済みのカップ二つと未開封のカップ二つ。
先に食った二つのカップも、なんとなく捨てられずに取っておいてある。
「これ再利用できたりしねえのかな?」
俺はカップを手に取り、書いてある文言を隅々まで読んでみた。
しかし、普通の作り方と成分表示ぐらいしか書いておらず、あの不思議な時間については全くどこにも書いていなかった。
とりあえず試しに俺は沸かしたお湯を開封済みのカップに再び注いでみた。
しかし、何も起きず、ただ湯気が立ち上るだけだ。
どうやらあの効果は一回しか体験できないらしい。
となると、あと俺が女の身体を体験できるのは二回ということになる。
また同僚に頼めばもしかしたら同じものが貰えるかもしれないが、今はこれしかないので一回一回を大事にしよう。
なんと言っても時間が3分しかないのだ。
最初のやつのときのように困惑しているうちに時間が経ってしまっては勿体無い。
何をするかをちゃんと考えてから使わなくてはならない。
「やっぱりまた女の身体でオナニーしてえよな……」
俺はアイドルの女になったときのことを思い出す。
男のオナニーとは全然違う快感と昂り。
一度体験しただけで病みつきになりそうだった。
俺は涎が出そうになるのを抑えながら、『ヒョウイメン!ギャル!』と書いてあるカップ麺を手に取った。
パッケージには、金髪でバチバチにメイクをした女の写真が付いている。
今までとはまただいぶ違うタイプの女だ。
正直なことを言うと、もっと清楚な雰囲気の女の方が好みだが、せっかくの機会なのだからこいつも体験してみるとしよう。
時計を見ると時間は17時50分。
俺はカップの蓋を半分ほど開け、中にお湯を注ぎ込んだ。
すると次の瞬間。
「………………っ、うお、どこだここ?」
俺は屋外で立ち尽くしていた。
どうやらここは繁華街のようで、行き交う人々の雑踏の中に俺はいた。
急いで体を確認してみると、俺の指の先にはガチャガチャしたネイルがついており、ミニスカートからは生足が露出している。
近くのショーウィンドウを見ると、ガラスには金髪のギャルの姿が反射していた。
間違いない。
パッケージのギャルになっている。
外にいるというのは少し想定外だったが、やることに変わりはない。
いや、むしろ屋外というのもシチュエーションとして悪くないんじゃないのか?
俺はその場で着ていた服を脱ぎ捨てた。
「え……なにあれ……」
「やばくね……? 誰か通報しろよ」
「うわ、エロっ……」
周りを歩いていた人間たちが騒めき始める。
主に男たちは俺の方を遠巻きに眺めていた。
こうして注目を集めると、なんだか妙な気持ち良さがある。
その気はないつもりだったが、今なら露出狂の気持ちが少しわかるかもしれない。
或いは、この女に露出癖があるのかもしれないが。
「おっと、そんなことより今はオナニーだ」
俺が呟くと、喉から少しだけ低めの落ち着いた女の声が響いた。
前回のアイドルの女やその前の女子高生の声ともまた違う声だ。
自分の口から男のものじゃない声が鳴るだけで興奮が高まっていく。
俺のものじゃない心臓が興奮で高鳴るのを感じながら、俺は下着をずらしておっぱいを揉んだ。
この女、今までの女の中では一番おっぱいがでかい。
揉みがいがあるいいおっぱいだ。
「ああ……柔けえ……」
ショーウィンドウに映るギャルは、恍惚とした表情でおっぱいを揉み続けている。
すると、いつの間にか周りに人だかりができていた。
歩いていた奴らが完全に足を止めてこちらを見ている。
中にはスマホを向けてきている奴までいる。
どれ、ちょっとサービスしてやるか。
「おい、お前ら俺がオナニーしてるところよーく見とけよ。んっ……」
俺はギャルの声で周りの男どもに語りかけた。
周りからはおおっ、という歓声が上がって盛り上がり始めている。
まるでアイドルにでもなった気分だ。
いや、そういや前回はアイドルになってたんだったか。
まあ、結局はオナニーするだけなんだからアイドルだろうがなんだろうが別に変わらないんだが。
おっぱいを揉みながら乳首の先端に指を伸ばし、軽くつねってみる。
すると、ビクッと身体が震えて快感が迸った。
「んあっ……! この身体、乳首がめっちゃ気持ちいいな……!」
俺は両手で胸の先端の乳首をそれぞれ弄る。
親指と人差し指で挟み込み押し潰そうとすると、電流が流れるように快感が駆け抜ける。
指の先の硬いネイルが擦れるとより強い刺激が走って身体が勝手に悶えてしまう。
前回の身体とはまた全然違う快感だ。
これだけでイケてしまうかもしれない。
「んっ、あっ……やばっ、乳首ぃ……いいっ……んんっ!」
俺が敢えて喘ぎ声を大きく上げると、周りに集まった奴らが固唾を飲んでこちらを見守っているのがわかった。
中にはズボンの中に手を突っ込んでる奴までいる。
やばい、これクセになりそうだ。
どんどん気持ちが昂っていき、身体はもう限界に近かった。
「んっ、イクッ、ちくびでイクッ、んんああぁッ!!」
俺はビクッと震えて絶頂を迎えた。
腰が抜けて、思わずその場に尻餅をついてしまった。
股間には触ってもいないのに、こんなに気持ちよくイケちまうとは。
とんだ淫乱の身体だったようだ。
「いてて……ふぅ、気持ちよかった」
汗ばんだ金髪が顔に張り付いて少し鬱陶しい。
俺は髪をかきあげながらゆっくりと立ち上がった。
イッたばかりのせいか、まだ足が震えておぼつかない。
すると、そんな俺の様子を見ていた男たちが、我慢できなくなったのか俺の方に詰め寄ってきた。
「ねえ君、ちょっと今から俺と遊ばない?」
「いいもんあげるからさ、俺と遊ぼうよ」
「ケチくせえ奴らだな。いくら欲しい? 俺はちゃんと払うぜ」
簡単にやれそうな股の緩い女だと思われたらしい。
そりゃあこんな大通りで公開オナニーするような女はそう見られても仕方ないだろう。
とはいえ、俺にはもうこいつらの相手をしている時間は残っていない。
「………………ふぅ、戻ったか」
次の瞬間、いつものように俺は自分の部屋の中に戻ってきていた。
さっきまでのおっぱいのでかい女の身体とは全然違う、男の身体になっている。
柔らかい脂肪の塊の代わりに筋肉質な厚い胸板があり、なんだか物足りなさを感じる。
時計を見ると、時間は17時53分。
お湯を入れてからちょうど3分だ。
「やっぱ3分は短えな……もっとあの身体を味わいたかったぜ」
俺は自分の胸の乳首に触れてみた。
軽い刺激を感じるだけで別に気持ちよくもなんともない。
やっぱあの女の乳首だったからこそあんなに気持ちよかったのだ。
それにあんなに淫乱な身体だったのならマンコやクリトリスを弄ったらもっと気持ちよかったかもしれない。
そう考えると非常に名残惜しい。
「まあ、そういうもんだって受け入れるしかねえか……」
俺は割り箸を手に取って目の前で湯気を上げるカップ麺を手に取った。
作ったからにはこっちも食わないと勿体ねえしな。
別に美味くはないが。
俺はなんとなくテレビをつけながら麺を啜った。
夕方のニュース番組の時間のようで、アナウンサーがニュースを読み上げている。
『一部地域では気温40度以上が観測され、全国各地が危険な暑さに見舞われました』
「ん……?」
そのとき、ふと妙な既視感を覚えた。
この顔、どっかで見た気がする。
スーツ姿で髪を後ろで束ねている清楚な雰囲気の女子アナ。
かなりの美人で印象に残る顔をしているが、普段そこまでニュースを見ない俺の記憶に残っているということは他のどこかで見たはずだが……。
「あっ……! これだ! この女だ!」
俺はテーブルの上に置いてあった最後のカップ麺を手に取った。
『ヒョウイメン!アナウンサー!』と書かれたそのパッケージには、今テレビに映っている女子アナの写真が付いていた。
ってことは、このカップ麺にお湯を入れたら今度はこの女子アナになれるってわけか。
『8月ももう終わろうとしているところですが、夏はまだまだ終わる気配が見えません。外に出る際は水分補給を忘れないようにする必要がありそうです』
真面目な顔でニュースを読み上げている女子アナ。
今までの女たちは写真で顔を見ているというだけでどんな人間なのか分からなかったが、今テレビで喋ってるこの女になれると思うと鮮明にイメージができて興奮も倍増だ。
股間が勃起していくのを感じる。
俺は食べていたカップ麺をかき込んで啜りきると、再びお湯を沸かした。
ちょうど今こうして実際に喋っているところが見れているんだ。
我慢なんかできるわけがない。
時計を確認すると、時間は18時16分だった。
俺は例によってカップ麺の蓋を半分開き、中にお湯を注ぎ込んだ。
すると次の瞬間。
「続いて次のニュー…………っ、うおっ、なんだ……!?」
何かを口走っていたような感覚を覚えながら俺の視界が切り替わった。
前を見ると、俺の方に幾つかのカメラが向けられている。
どうやらテレビスタジオにいるらしい。
隣にいるスーツを着たアナウンサーらしき男が困惑しているような顔でこちらを見ている。
周りにいるスタッフらしき人間たちも俺を見ながら怪訝な顔をしている。
カメラの前っていうのもまたそそるシチュエーションだな。
清楚な女が俺の意思によってカメラの前で痴態を晒すってわけだ。
今から3分間、きっちり楽しませてもらうとしよう。
俺は目の前の机の上に身を乗り出し、スーツのボタンを外して肌を曝け出した。
「ちょっ……何してるんですか!?」
突然の行動に隣のアナウンサーらしき男が動揺して声を上げる。
もちろん俺は手を止めずに服を脱いでいく。
そのとき、俺は身体に尿意を感じた。
どうやら収録中でトイレを我慢していたらしい。
そういえば女の小便というのはどんなふうに感じるんだろうか。
気になった俺はちょうどいいと思い、そのまま排尿を試みた。
「んっ……おおっ、すげえ、出てる……」
下はまだ履いたままだったため、タイトスカートとパンツを濡らしながらびちゃびちゃと小便が流れていく。
男の身体と違って軽く力を入れただけでも小便が出てしまう。
女はトイレを我慢するのが大変なんて聞いたことがあるが、どうやら本当だったようだ。
「な、なにやってんだ! おいっ、カメラ止めろ!」
カメラの前での俺の排尿を受けて、いよいよ周りのスタッフたちが大騒ぎを始めた。
一方、膀胱を空っぽにできた俺はスッキリとした気分になっていた。
女の身体で着衣したまま小便っていうのも興奮したし悪くなかったな。
濡れたパンツが股間に張り付いて少しだけ気持ち悪いが。
俺はスカートとパンツを脱ぎ捨て、ほとんど裸の状態となった。
さて、次はいよいよお待ちかねのオナニーだ。
「何やってるんですか! やめてください!」
すると、スタッフ数人が俺止めようと掴みかかってきた。
「あぁ!? 邪魔すんじゃねえよ!」
「どうしたんですか神崎さん!? 落ち着いてください!」
「うるせえ、離せっ、このっ!」
俺はスタッフの手を振り払い、その場から走って逃げ出した。
こっちには3分しか時間がないんだ。
邪魔されてたまるか。
俺は走りながら女子アナのおっぱいを揉んだ。
形の整った柔らかいおっぱいだ。
これもまた触りがいのあるいいおっぱいだった。
「か、神崎さん!? 何してるんですか!?」
「きゃあっ!?」
ほぼ裸でテレビ局を走り回っていると、周りから驚きの声や悲鳴が上がる。
周りからの視線に、俺はゾクゾクとした快感を覚えていた。
清楚な女子アナの身体でこんな振る舞いをするのも興奮するが、また止められたりしたら面倒だな。
俺はスタッフに追いつかれないように適当に廊下を走り続けた。
すると、さっきとはまた別のスタジオにたどり着いた。
中は収録中のようでスタッフがたくさんいる。
これではまた捕まってしまうかもしれないし、引き返した方がいいか?
「いや、せっかくだ。このまま行くか」
俺は走ってカメラの前に躍り出た。
バラエティ番組の収録をしていたスタッフと出演者たちは、突如現れた俺の姿に呆然としている。
俺はカメラの前で大股を開きながら宣言した。
「今からオナニーしまーす! しっかり撮ってくださーい!」
俺は股の割れ目に指を合わせた。
この異常なシチュエーションで既に興奮が高まっていたせいか、ぐしょぐしょに濡れそぼっていて簡単に指が入った。
「んあっ、この身体のマンコも、気持ちいいなっ……!」
俺は片手で乳首を弄りながら、もう片方の手で膣内を弄っていく。
今この場にいる全員の視線が俺に集まっていた。
やばい、これめっちゃ興奮する。
真面目な顔でニュースを読み上げてた女子アナが、今は俺の思うがままにカメラの前で裸になってオナニーしてるんだ。
めちゃくちゃ気持ちいい。
「んっ、あっ、もう無理っ、イクッ、あんっ、んあああぁッ!!」
ビクンッと身体が跳ねる。
あまりの興奮であっという間にイッてしまった。
股間からぷしゅっ、と液体が飛ぶ。
どうやら潮まで吹いてしまったらしい。
こんな気持ちのいいオナニーができたのは生まれて初めてだ。
今までの女の身体の中でも格段に気持ちよかった。
これはかなり当たりの身体だったのではないだろうか。
俺は快感の余韻に浸りながら息を整えていた。
すると、俺の方に走ってスタッフたちが駆け寄ってくるのが見えた。
「おい! 神崎を捕まえろ!」
「何やってんですか! 神崎さん!」
スタッフが目の前まで迫ってきた次の瞬間。
「………………おお、戻った。あぶねえあぶねえ」
俺はいつものように部屋の中に佇んでいた。
俺を捕まえようとする人間はどこにもいない。
俺はただ一人、股間を勃起させてカップ麺の前にいるだけだった。
捕まったらいったいどんな目に遭っていたのだろうか。
まあ、3分の間だけの出来事なのだから別にどうでもいい話だが。
「しかし、今ので最後かー。満足感はあるが、まだまだ楽しみたかったな。また貰えないか、今度色々聞いてみるか」
俺は名残惜しさを覚えながらもカップ麺に手を伸ばした。
ふとテレビ画面を見ると、なんだかおかしなことになっていることに気づいた。
「しばらくお待ちください……? なんだ? 3分の間に何かあったのか?」
すると、画面が切り替わり番組が再開された。
だが、何故かあの女子アナはスタジオからいなくなっていた。
「ただいま、不適切な映像を流してしまいました。誠に、申し訳ありませんでした」
男のアナウンサーが深々と頭を下げて謝罪している。
なんだこれ?
何があったんだ?
俺はスマホを開いてSNSを見てみた。
すると、『神崎アナの突然の奇行』という見出しがトレンドの一番上に上がっていた。
『ニュース中に女子アナがいきなり脱いでおしっこ始めててやばすぎる』
『放送事故とかいうレベルじゃない』
『これドッキリ?』
タイムラインにはニュース番組の切り抜き動画が流れており、女子アナがカメラの前で服を脱いで小便始める様子が映っていた。
それは、紛れもなく先ほどの俺の行動だった。
「え……? これ、俺か……? え、現実……?」
俺は今まで、ずっと夢か幻のような体験をしているつもりでいた。
どうせ現実じゃないんだから、好き放題すればいいだろなんて楽観的に考えていた。
でも、もしかして、今までのは全部現実で、俺は実際に別の場所にいる本人の身体に乗り移っていたのか?
だとしたら、アイドルの身体でメンバーたちの前でオナニーしたのも、ギャルの身体で人通りのある繁華街でオナニーしたのも、女子アナの身体でカメラの前でオナニーしたのも、全て現実ということになる。
俺が戻った後、本人たちはいったいどうなったのだろう。
あのアイドルはこれからメンバーやプロデューサーにどういう目で見られるんだろうか。
あのギャルは男たちに囲まれてどう切り抜けたのだろうか。
あの女子アナは今まさに拡散されている自分の痴態をどう受け止めるのだろうか。
背中に冷たい汗が流れるのを感じる。
「い、いやいや、いやいやいや、そんな、カップ麺にお湯を入れただけで他人に乗り移るなんて、そんなのあるわけないだろ……お、俺は知らないぞ」
俺は震える手で箸を握り、カップ麺を啜った。
まだ出来立てだというのに、その麺はかなり不味かった。