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《未完》賭けに負けたせいで顰めっ面でチンポにキスしまくるゲヘナ風紀委員行政官、天雨アコの葛藤《約14000文字》

 ゲヘナ学園風紀委員会執務室に置かれた応接セットのソファ最奥は天雨アコの指定席だった。常に執務机の様子が視界に入り、何か問題があれば(勿論なくとも)敬愛する委員長の元へと真っ先に駆けつけられる位置にある。私生活で交友があるイオリやチナツといった親しい役員にすら譲り渡したことはない。ヒナのペットと揶揄される噂はまさしく正鵠を射ているといえよう。  だからこそその場所を何の感慨もなく簒奪し、あまつさえ現在進行形で大の字になって踏ん反り返っている存在に対して、アコは並々ならぬ怒りを覚えずにはいられない。 「このぉッ……♡ っ、むっ…んちゅっ♡ このっ♡ このぉッ……♡ ん、んぅぅ〜っ……ちゅっ♡」  口を開くたびに恨みがましい声が漏れる。だがいくら不満を態度に示そうともアコの胸に燃え滾る怨嗟は、ほんの欠片たりとも目の敵には伝わらない。奉仕のために使わされている唇が、彼女の苛立ちをかき消すようにオスに媚びつくリップ音を鳴らしてしまうせいだ。 「あー、それそれ。それやばい、もっとして」 「このっ、好き勝手言ってっ…!むちゅっ♡ ちゅっ、ちゅっ、ちゅ〜っ♡♡」 「うぉぉっ、チン先キスくっそ効くっ……」  亀頭の先端へ連続で唇を押し付けると、竿に張り巡らされた血管が脈動し、カリ首のエラがなおも膨みを増す。一個体の生物となったチンポが、上下関係を知らしめるべく跪いて媚び仕えるメスを威圧しているようだ。無理もない。眉を八の字に逆立てたり呻き声をあげたりしていくら反抗的な態度を取っていても、唇は勃起の促進をひたすらに急かしている。チンポに意思があるならば、目の前の女を『俺様に絶対逆らえないメス』と認識しているに違いない。  少なくとも、アコの頭の中ではそういうことになっている。 (たかが生殖器の分際で、私のこと見下してッ……♡♡ いい気にならないでほしいんですけどっ……!) 「そう、そのまま唇押し付けて……あー、きもちぃ……」 「っ……♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅっ♡」  キツツキのようにチンポへ吸い付いてはいても彼女には確固たる矜持があった。内外問わず敵の多いゲヘナ風紀委員の折衝役として、毅然とした態度を貫かなければ、組織を、ひいてはヒナの居場所を守ることなどできない。シャーレの先生に対して警戒心を解かず未だ以て強硬な姿勢を取り続けているのは、生来の思い込みの激しさに加えて、そうした責任感の強さにも由来している。一度取り結んだ外交的約定を反故にすることは相手に付け入らせる隙を与えるも同然であり、それはやがてヒナ委員長を脅かす火種になりうる。となれば他に選択肢は残されていない。 (くっ……そもそも、賭けに負けさえしなければ、誰がこんなことっ……♡)  今はやむをえず、『おちんぽちゅっちゅ女』に成り果てているだけなのだ。  彼女の言い分には他にも、『不愉快だけれど』『不本意ながら』『仕方なく』『他に方法はないので』など、動機を否定する枕詞がたらふく盛り付けられている。 「んちゅっ……♡ ちゅぅぅっ♡」 「あ゛ー……そうやって一生、チンポにキスしててほしいわー……」  先生は背もたれへと首を倒して深く息を吐いた。さながら温泉に浸かっている時のような、体の隅々まで熱い血が巡ってゆくえもいわれぬ心地よさに包まれる。その正体とはオスの本能に刻まれた、「若くて孕ませがいのある女を狩れ」という至上命題。絶好の獲物を前にした狩猟本能が、悪寒という形で全身へ信号を送ってきている。さらにそこへ教職者の立場、大人の倫理観が背徳のスパイスを惜しみなく投入されるので、オスの凶暴性を抑え込むので手一杯になっている。  乳は重たく、腰はくびれて、尻はでっぷり、足は長く。顔立ちは凛々しくも愛らしく。その造形のすべてが、ひとりでも多くのオスを虜にする天命を預かって生まれ落ちたかのよう。それでいて精神のほうはまだとことん未熟で、あろうことか男を知らないだけのくせして自分をレズもどきだと勘違いしている。  蠱惑的すぎるグラマラスな肢体に思春期特有の苛烈さという、思わず男が調伏したくなる要素のみで構成された女こそ、天雨アコである。 「ん~~っ……ちゅっ♡ ちゅっ……♡ ちゅぅぅ~~っ♡」  生まれてくる世界が違えば、華やかな芸能界の頂点にでも、あるいは王族の妾にでもなれただろう。しかしそんな極上の女は今、彼らの口約束の延長でしかない賭け事に負けた責を受けて、一介の教職者に過ぎない男の生殖器にとびきりの奉仕を捧げている。 (……っていうか、こんなことをさせておいて、何天井なんか見上げてるんですかこの男っ……! 食後の喫煙気分? そうですかそうですかそうですかっ……!!)  不機嫌を示す青筋がこめかみに浮かび、その苛立ちを反映してキスは次第に苛烈さを帯びてゆく。  チンポをむちゅむちゅと挟み込んでいるのは、年上にも物怖じせず物申す肉厚の唇。亀頭にふきかかる吐息は憤りがたっぷり込められており、しっとりと潤んでいる。極めつけは仇を見るような目で睨んでくるこの上目遣いだ。チンポへの服従を接吻で誓っているにもかかわらず、それでも心は絶対に明け渡さないとでも言わんばかりの決意に満ちた気丈な顔つき。目尻に薄っすらと悔し涙を浮かべた表情は見下ろしているだけでオスは加虐心を抑えられなくなる。いかに大人といえどもまともに取り合っていたら次第に理性が綻んでいき、そのうち喉奥へ無理やりチンポをねじ込んでしまいかねないだろう。  先生が首を傾けて天を仰いでアコのフェラ顔を直視するのを避けているのは、その最後の一線を踏み越えまいとする理性的な理由があってのことだった。  一方そんな事情を知る由もないアコは一向に視線を下げなくなってしまった先生の態度にしびれを切らし、眉間にひと際深い皺を刻む。 「ちゅっ♡ ちゅぅ~~っ♡♡ むっっちゅぅぅ~~~っ♡♡」 (っ、ちょっとっ……!! いい加減こっち見たらどうなんですっ……!?)    アコにとって、今捧げさせられているのは唇そのものだけではない。乙女の純情や羞恥心といったものを諸共に搾取されている真っ最中なのだ。百歩譲ってそれがオスの優越感を満たすための養分にされているならまだ理解はできた。だが自分の姿は完全に先生の視界から追い出されてしまっている。これでは誰がチンポに口づけをしているかは重要ではないと言われているようなもので、つまりは恥のかかされ損である。 (こんな真似させておきながら無視だなんてっ、どこまで人を辱めればっ! はっ…!? ひょっとしてっ、私のことは別になんとも思ってないからっ……ほかの女の子におちんちんキスさせてる妄想とかしてるんじゃっ……!?)  そうと気づいた瞬間、全身の血液が沸騰するような感覚がアコを襲った。オスを虜にするべく生まれながらその自負をもコケにされた本能的な悔しさだった。  たちまち端正な顔立ちが真っ赤に火照る。その熱は彼女の明晰な頭脳にまで及び、理性的な思考を瞬く間に融解する。後に残ったのはめらめらと燃え盛る衝動のみ。沽券を回復するために彼女に残された手段は『なんとしてでも先生の視線を奪い返す』、それだけだった。 「んぢゅっ♡ ん~んぢゅっ……♡ んちゅっ♡ んぢゅぅぅ~~っ♡♡」 「うっ!? おぁっっ……♡」  唇を触れ合わせるだけのうぶな口づけはどこへやら。普段は迫力のある笑顔で違反生徒を取り締まる『しごでき女』がタコのように頬をすぼめて、チンポへと吸い付く。もはやがむしゃらでうるさい吸啜音を鳴り響かせるのも厭わない。ぎらぎらと悔し涙で潤んだ瞳はオスの注意を惹くことしか考えておらず、自らを客観視できる精神的余裕が失われているのが一目瞭然である。さらには全力の接吻に費やされているために、呼吸の役目を一手に託された鼻の穴は大量の酸素を取りこむべく「むふぅ…♡むふぅっ……♡」と膨らんだり縮んだりを繰り返している。  正常な感性を持つ女の子であれば、これを『他人に見られたら恥ずかしすぎて死んでしまう顔』と評するのだろう。 「んぢゅっ♡ ちゅぅぅぅ~~~っ♡♡ むぢゅぅぅ~っっ♡♡ ちゅっちゅっぢゅぅぅぅ~~っっ♡♡」 (こっち見なさいよッ……! こっち見ろっ…! こっち見ろこっち見ろこっち見ろぉっ……♡♡)  爛々と赤黒く光る亀頭に薄紅色のルージュでキスマークの華が咲き乱れる。ヒナ委員長に感想を求めて、「悪くない」と言ってもらえた色だ。言った本人は着飾ることよりも実用性を重視するタイプなので、最低限の保湿効果に言及したついでのそっけない返事ではあったものの、以来アコはずっとその色で唇を飾っている。 (っ……♡ ヒナ委員長のお気に入り色が、私の唇の形を借りて、おちんちんをキスマークまみれにしてるっ……♡♡ こ、これじゃ、まるで、ヒナ委員長への忠誠心まで、勃起の栄養にさせられてるみたいじゃないですかっ……♡♡ ふざけんなっ、ふざけんなぁっ……♡♡)  気を惹こうとして吸い付けば吸い付くほどマッチポンプ式にアコの敵愾心はさらに燃え盛り、腹いせも加わってぶちゅぶちゅキスはエスカレートしてゆく。 「ん〜〜ぢゅっっ♡♡ ちゅぅぅぅ〜〜〜っっ♡♡♡」 「うぉぉっ……く、ぁ、ぁっ……」  しかし次第に先生の口から予想以上の快楽に戸惑う声が漏れ始めた。アコの心はにわかに沸き立ち、「早く観念してこっちを見ろ」と言わんばかりに勢いを増してゆく。追い込みをかけるためでもあったが、狙いはそれのみではない。 「ん~~っぢゅっ♡♡ んぢゅっっ♡ んぢゅぅぅ~~っっ♡♡ ちゅぅぅぅぅ~~~っっ♡♡ ちゅぅぅぅ~~♡♡」 ちりん♡ちりんちりんっ♡ ちりんちりんちりんっっ♡♡  アコが激しく首を振るのに合わせて、チョーカーに紐づいたカウベルが踊り跳ねる。四六時中身に着けているので音を鳴らさないことには慣れているが、アコは敢えて激しく頭ごと前後させた。  そんな卑猥な使用例は今までにない。そのためか、改めて耳にするカウベルの音はアコにはとても間抜けな響きに聞こえた。首輪の鈴は動物が人間に飼われていることを周知させ、その動きを飼い主に知らせるために取り付けられる。チョーカーもカウベルも手枷も、ヒナ委員長にすべて捧げて奉仕する覚悟のあらわれだったはずなのに、今の自分は先生どころかそのイチモツに仕えるペットだ……。そんな思考がノイズのように脳裏をよぎり、アコは唐突に自分の装飾品のすべてが自らの境遇をなおさら恥ずべきものだと強調させるアイテムに思えてきた。 (ちがっ……♡ 私はっ、先生のペットなんかじゃっ……♡♡ おちんぽすきすきちゅっちゅ女なんかじゃ、ないのにっ……♡♡ くぅぅッ……♡♡ ゆるせませんっ……♡ これも全部この人のせいですっ……♡♡ 大人の男なんてやっぱりさいってぇっ……♡♡)  奪われた尊厳を回復するためにさらなる羞恥心を搾取される。憤懣やるかたない不条理である。悔しさや情けなさを怒りの燃料とし、その矛先を向けるように先生を睨みつける。他の思考が挟まる余白などないくらい、大げさなほど怒りを滾らせる。今冷静さを取り戻せば、そもそも無様なキス顔を晒しているのは完全に自分の一存だと気づくことになる。そうなるともう立つ瀬がなくなることが深層心理では理解できているのだろう。無意識下での自衛がはたらき、アコに全力投球のチンポキスを断行させた。 「むぢゅぅ~~~っっ♡♡ ぶちゅっ♡ むちゅぅぅ~~っっ♡♡ ぢゅッ♡♡」  アコとて羞恥心はある……というか実のところ、この女は羞恥心に凄まじく弱い。『ヒナのペット』という呼び名は矜持にかかる部分なのでウィークポイントに響かないだけで、たとえば『先生チンポのペット』という肩書きはおそらくこれ以降何度もアコの脳裏をよぎる弁慶の泣き所となるだろう。彼女の心の内側には女の子の部分が秘められており、生来の思い込みの激しさや気性の物々しさはそういったものを守る外郭の役目を果たしている。  今のアコが胸にくすぶらせているのは純然たる怒りに由来するものではない。そもそもが自らが招いた痴態への悔しさや情けなさを責任転嫁して、先生への敵意だと自分を騙しているのだ。ゆえにこそその思い込みが解ける前に、先生に気取られないうちに一刻も早くこの状況から抜け出さなくてはならなかった。  事前の取り決めでは先生から『チンポへの接触はキスのみに限る』との条件が課されてはいたが、方便で切り抜けられる範疇の横着なら問題ないはず。数々の恥辱を味わわされた仕返しに、もうアコは一部とはいえ約束を反故にしてまで一矢報いてやろうという気になっていた。そう思い立ったのには、ずばり確信があったからだ。  ――いくら先生といえども、所詮は男。私みたいなイイ女が舌を這わせて男性器を舐めてあげたら、さすがに悦ばざるをえないはずですっ……!!  色白爆乳美人として生を受けたハイエンド女ならではの思い上がりが拗らせに拍車をかけているとも気づかぬまま、いよいよ唇は開かれる。 「んっ…んぁ~っ……♡♡」  あらわになった真っ赤な口内から、おそるおそるといった感じで這い出てくる小さな舌。学園自治区の中で特に治安が最悪との呼び声も高いゲヘナにあって、上流階級の立ち居振る舞いが身についているものといえば、真っ先にヒナ、次点でアコの名前が挙がることだろう。テーブルマナーに造詣の深い彼女には当然、口の中や舌を他人に見せるのは下品だと厭う感性が備わっている。  ただでさえ品位を損なう行為をチンポを悦ばせるために行わなければならないなんて、とんでもない恥辱であった。乳首の先にじんじんと熱が集まってくるのを感じる。それを頑なに怒りのせいだと思い込もうとしながら、アコは大量の唾液でとろっとろにコーティングされた舌をおそるおそるチンポへと触れさせた。 「……んれぇっ♡ っ!?」  その瞬間、頭の中で火花がぱちぱちと爆ぜ、アクアブルーの瞳が困惑に揺れる。舌先を起点に電流が生じ、それが全身へ伝播して、肩や腰、肘までびりびりと痺れた。そして一拍遅れて口の中に充満したのは、まるで夏場の公衆便所のような据えた臭い。 (くぅっっっさッ!?!?♡♡)  むせかえるほどの臭気にあてられ、端正な顔立ちが今にも泣きだしそうに歪む。  この時アコはさっきまで行っていた唇での接触が、所詮体の表面同士を触れ合わせているに過ぎなかったことを痛烈に思い知らされた。口づけの際にもクサイと思ってはいたが、口を開き体の内側で触れたことによって感じるのとでは全くわけが違う。 (なにこれっ…♡ こんなの、女の子に嗅がせていい匂いじゃっ……うぎゅッ♡ 舌が、ぴりぴりしてっ……♡♡ うっっっ♡♡ くっっっさぁっ……♡♡ あっあっ♡ うぐぅっ……♡ う、内側から犯されてるみたいっ……♡♡)  瀟洒ぶって気取った女の面の皮を剥ぎメス本来の役割を無理やり思い出させてやるとでもいわんばかりの意思を感じる猛々しさ。オスの性欲を味覚と嗅覚を通じて直接流し込まれたような感覚だった。役割を忘れてのうのうと生きる女にメスとして生を受けた意味を思い出させ、その本性を“暴き出す”力……それは本来正しい意味で、『暴力』と呼ばれるべき力だ。濃厚なオスの匂いはまさにメスを調伏させるための暴力であり、そんなものでガツンと一発殴りつけられる衝撃たるや、とりわけまんこに処女膜を張っている女にはひとたまりもない。 「すぅっ……♡ う゛ぅぅ~~~ッッ♡♡ くぅぅっ、ぐ、ぅ……♡♡」  耐え難いほど不快であるはずなのに、なぜだかチンポに舌が癒着して引き離すことができない。息を吸うたびに女を駄目にするオス臭さが肺を満たし、体の至る所でぞくぞくと鳥肌が立つ。 (…んっと、なんなんですか、これッ…♡ やばいっ、やばいやばいっ…♡ 頭ぼーっとしてくるっ……♡ っっ……♡♡ でっ、でもっ、ここで、呼吸をやめたらっ……♡ 先生の匂いに負けてっ、尻尾巻いて逃げたことになるっ…! に、逃げるわけにはいかないんですっ……♡♡ だからこんな、女の子の鼻の奥をツンとさせるおちんぽ臭なんかに、負ける、わけにはぁっ……♡♡) 「すぅぅ~~~っっ……♡♡ ん゛ぉッ♡♡ へっへっへっ♡♡」  こめかみに青筋こそ浮かんだままではあるが、その感情の出どころは濃厚なオスフェロモンが効いてしまう自身への煩わしさであった。  篭絡されそうになっているメスの本能を叱咤し、不退転の精神でチンポを睨みつけるアコ。だが先ほどまでとは比べ物にならないほど眼光は弱弱しく、対抗心ばかりが逸った結果、無様に舌をべろんと垂らしたまま肩で息をしている。その姿は誰がどう見ても、大好きなおチンポにむしゃぶりつく瞬間を切なそうに待ち望むメス犬そのものであった。 (くっ……♡ 負けないっ……♡ 負けないっ……♡♡ ぜったいぜったい振り向かせるっ……♡♡ っっ……♡♡ こ、怖くないっ……♡ ビキビキに勃起したオス臭いおちんぽなんて、全然怖くないんですからっ……♡♡) 「っ…ぇろっ……れろっ……♡♡ んぇぇっ……♡」  たっぷりと何十秒もかけて己を奮い立たせると、アコは鈴口の周りをぺろぺろと舐め始めた。ぴりぴりと味蕾が痺れるのを感じながら、彼女は考える。  そこにわだかまっているものは乾いた汗であれ、剥がれ落ちた垢であれ、チンポから滲み出てきた老廃物……つまりは男の身体の中でもっとも獣めいた場所から不要となって排出された汚らしいもの。それを女が自らの身体に取り込むことでチンポを清めたり労わったりして、男《支配するもの》と女《仕えるもの》の上下関係を明確に定義し直す儀式が、フェラチオの本質なのではないだろうか。だとしたら、先生が『チンポキス』のみを許したのも頷ける。あれはまだ奉仕行為と呼べる一方、これは明確に関係を書き換える意味を孕んでいる。先生と生徒の関係を、主人のオス様と卑しいメス奴隷という関係が上書きしてしまいかねない。  そこまで考えて、アコはある仮説に思い至る。 (えっ……それじゃあ、あんなに頑なに「フェラチオは駄目だよ」って念を押してた理由は、私のことをそういう目で見ないようにするためなの……? 初めのほうに「チンポに一生キスしててほしい」だの、「唇もっと押し付けて」だの言ってたのも、早々と快楽に下っていたのではなくって……私のことを、生徒として大事にできているうちに、さっさと射精してしまうためだったってことに、なりませんっ……!?)  その推測が真に迫っていることを指し示すかのように、身体の至る所からは冷や汗が噴き出していた。首や腋、そして足元が見えないぐらい大きく前にせり出した胸……特に下乳部分のブラウスはじっとりと肌に張り付いている。  冷や汗はいわゆる疲れマラなどに代表されるストレス防御のための生理反応の一部であり、『危機的状況にある時、子孫を残そうとする本能が生殖意欲を掻き立てる』は俗説に過ぎない。しかし、この乳汗はいうなればオスの凶暴性に興奮するあまり、液体となって滲み出してしまったメスフェロモンだ。同姓にすら卑猥だと思われるほどの嫌い、甘ったるい汗クサ臭。自分の身体がオスに媚びつく反応をし始めたことを受け、アコの不安はいよいよ迫真めいてきた。  今からでもやっぱりやめたほうがいいのではないか。もし先生の体裁を無理やり剥いで、大人の男の人を本気にさせてしまったら、きっと私は女として扱われてしまうッ……。  それはわかっていたけれど、むしろそれを強く意識すればするほど、アコは舌先を動かすことをやめられなくなっていった。女の胎に突き付けて子種を放出する銃口をれろれろと舐めほじる。その積極的な舌遣いにはルール違反を犯していることに気づかれたいと思っている節があった。不安を押しのけてしまうほどの大きな感情……つまりは、期待である。 (っ…あっ、あっ……♡ 私が、先生の言いつけ守らないでっ、勝手にチンポにむしゃぶりつく『女』だってこと、バレたらまずいんじゃっ……♡♡ で、でもっ、私のことほったらかしにする先生も、悪くないですか……!? っっ……く、ぅっ……♡♡ ほらっ、私っ、フェラしちゃってますよっ♡ 先生に駄目って言われたのに、勝手にれろれろ舐めちゃってますよっ…♡ っ……ねぇっ……♡ こっち、み、みて、くださいっ……♡♡ みてくださいっ……♡♡ 『こっち見ろ』だなんて、もう思ってませんからっ……♡ 見てくださいっ、私のフェラ見てくださいっ……♡♡) 「れろれろれろっ…♡ れぉん、れぉん、れぇろれろぉぉ……♡ れぅぇぅぇぅ……♡ れぇう、れろれろぉ~~~……んぇ?」  今度こそ、先生が振り向いてくれるまで挑発的なフェラでアピールするつもりになったアコの舌先から、突然、生臭いオスの熱が消失する。怪訝に思った彼女が視線を下げると、先生の手がチンポの根元をしっかりと握っているのが見えた。  その直後だった。筋骨隆々に膨らんだ肉の竿が大きく振りかぶられ、面打ちする竹刀のように勢いよくアコの顔面へと振り下ろされたのは。  べちんッッッ♡♡♡ 「ッッッッ!?!?♡♡♡」  アコには一瞬、何が起きたのかわからなかった。ただ何かに顔をぶたれた衝撃のあまり、それまでかろうじて機能を保っていた思考回路がとうとう火花を散らしてショートしたことだけが理解できた。 「えっ、ぁ、ぇっ……」  目の前の現実だけは言い訳も嘘もつかない。  ひりひりと痛む鼻先。毎日手入れをかかさない髪にまで飛沫した我慢汁。そして怒髪天を衝く勢いで反り返っているチンポ。  すべてが状況を物語っているが、それでもかみ砕けず呆けているメスに気付けが飛ぶ。 「アコ。お前何勝手に舐めてんだオイ」 「ぇ、ぁっ、ぇっ……」  まるで体の内側に送り込まれた拡声器から直接腹の底に響かせるかのようなドスの効いた低い声でどやされ、たまらずアコの全身はぶるぶるっとふるえた。ゲヘナの模範生に数えられる彼女にとって、ただでさえ誰かに叱られた経験は皆無に等しい。利口が取り柄の生娘が、大人の男の本気の怒気を前に怯みあがらないはずがなかった。 「しゃぶっていいなんて言ってねぇだろーが」 「っ、ぁ……はいっ……」  そもそも、叱ると怒るはちがう。前者が相手に何かを諭す教育的意義が強いのに対し、後者はフラストレーションをぶつける感情の発露に他ならない。そして今、彼女にぶつけられているものはアコの“もどき”とはちがう、まぎれもない怒りである。  自分が既に生徒のひとりではなく、粗相を犯した女として見做されている映。そのニュアンスを吊りあがった瞳から読み取ったアコは、心臓を鷲掴みにされているような緊張の中にあって、メスの本能がじんじんと疼くのを感じていた。 (あ、ぁ、これが、お、お説教っっ……♡ わ、私っ、怒られてるっ……! 怒られちゃってるっ……♡♡ こんなに自分本位に女の子を見下してる先生の顔なんてっ、見たことないっ……♡)    その怜悧な眼差しは静謐に苛立ちを燃やしながらも、全てを見透かす裁定者の心眼が宿っていた。その視線がアコを真っすぐに射竦める。 『お前は散々「奪われた尊厳を回復する」だとか、「一矢報いてやる」だとか威勢だけ一丁前な方便を垂れていたが、それは所詮弁を弄した建前でしかないだろう』 「ぁっ…ぁ…♡」 「なぁ、おいコラ」 「っっ…♡」  胸の奥を針で穿たれるような痛みが走る。メスの本能に組み込まれている狩られる側の遺伝子が「とっとと己の過ちを認めて目の前のオスに遜れ」としきりに降参の勧告を促してくる。対して、なけなしの意地が言い分を必死に膨らます。 (約束を反故にしたのは確かに私ですけどっ…!でもっ、だってっ……!!)  確かに動機はほとんどが屁理屈にすぎないものだった。しかし、アコはどうしても今謝るわけにはいかなかった。次から次へと繕った言い訳の中には、れっきとした彼女の本心も埋もれているからだ。「許さない」とまではいかずとも先生に訴えたい思いがあって、怒られた今なおその一心だけは消えずに燻ぶっている。  アコは目線よりも高い位置に屹立するマラへ恭しく近づくと、かろうじて届く位置の尿道がぼっこりと隆起した裏筋に唇を這わせた。そして自分の正直な気持ちを行動で示して陳情するかのように、チンポにちゅぱちゅぱと甘え始めた。   「むちゅっ……♡ はぁ、むっ…んぅぅ~っ……ちゅっ♡ はむっ……ちゅっ♡ はむはむはむっ……♡♡」  すり、すり、すり……♡  怒気に脅かされながらも精いっぱい気丈なふりをする上目遣い。チンポに叩かれたばかりの顔をつかってのもちもち頬ずり。快楽を餌に釣るのではなく、男の心を振り向かせんとする唇の動き。  それらには敵愾心とは正反対の気持ちが込められている。 「むちゅっ……♡♡ むちゅむちゅむちゅぅぅ~~っ……♡♡」 (だって、だってだってだってっ……!! さみしかったんですもんっっ……!!) 「ちゅぅぅ~~っっ……♡♡ ちゅっっ♡ むちゅっ……ちゅぅぅっ♡♡」 (確かに私が悪いですけどっ……そんなに、怒らなくてもいいじゃないですかっ……!! 私っ、初めてのキスだったんですよっ!? それをおちんちんに捧げたのにっ!! 恥ずかしいのがまんしてがんばったのにぃっ……!! なんでっ……なんで優しくほめてくれないんですかぁっ……♡♡) 「むちゅっ♡ ちゅっ♡ちゅぅぅ〜〜っ♡♡」  溜め込んだ鬱憤をまくしたてる勢いで、聳え立つ男性器に口づけの雨を降らせてゆく。その口遣いは快楽をひけらかす生意気なものとは打って変わって、強がりな態度を取り続けていた自らの非を釈明しようとするいじらしさが滲んでいる。  かまってもらいたいがばかりに偽りの敵意を燃やして思い上がりを抱き、しまいには約束を破ってチンポに舌まで伸ばしたことへの謝罪。オス様の怒りを収めていただくため、媚びへつらおうとするメスの本能。そこにほんのちょっとの拗ねた気持ちが加わって、せがむような上目遣いの瞳がうるうると揺れる。 「ちゅっ♡ ちゅっ♡ ちゅぅっ♡」 (私だってこれぐらいできますっ♡ できるんですからっ…♡ ほら、見てくださいっ。私だって、今はあなたに仕える女の子なんですよっ……♡♡ だからっっ……ね、ねぇっ……♡♡ ねぇってばぁっ……♡ そんなに睨まなくてもいいじゃないですかっ……♡♡ す、すっ…すみませんでしたっ……♡♡ すみませんでしたぁッ……♡♡ だからっ……ゆ、許してくださいっ……♡♡ 怒らないでくださいっ……♡♡)  無言の圧力を伴った鷹揚な視線にじぃっと見下されても、なおアコは奉仕をやめなかった。卑しい女だと軽蔑されているのかもしれない。癪に障る女だと疎ましがられているのかもしれない。けれどたとえそうであったとしても、アコはようやく視線を寄こしてもらえたことが嬉しくて、その返礼におちんちんへできる限りのおもてなしをしなければならないという使命感がはたらいていた。  本心を打ち明ける弁解と告白が入り混じったチンポキスを受けた先生は、おもむろにアコの頭へと手を伸ばした。そして、女の命たる艶めいた髪の毛をガサツな手つきでわしわしと撫でつける。 (あっ♡ あ、ぁ、ぁっ♡♡ もうっ! もうっっ……♡♡ 褒めるのおそいっっ♡♡ 私、寂しかったんですからっ♡ おちんちんキス無視されてっ、悔しかったんですからっ♡♡ 怒られたのだってっ、すっごく怖かったんですからぁっ……♡♡)  箸が割り入れられた生卵の黄身みたく、どろどろと漏れ出してくる本音の数々。それは立場や体裁に固執し、駆け引きに不利となる自身の気持ちと向き合おうとしてこなかったアコの上に降り注ぎ、彼女を女へと変えてゆく。 「アコ」 「っっ……♡」 「頬ずり」 「…はいっ…♡♡」  すり、すり、すりっ♡  すぅり…すりすりすり♡  下された命令に従うことが失態を取り返すチャンスだと感じ、アコはその真っ白な頬を躊躇いなくチンポを撫でるために差し出した。むわりと香り立つオス臭さのせいで、たまらず眉間に皺が寄る。けれどそうして不本意そうに見える顔をしておきながら、人懐っこい……否、“チンポ懐っこい”頬ずりをするギャップがエロスを掻き立て、先生は大きなため息を吐き出す。 「うっ…ふぅぅーーっ……」 (そうですっ♡ ちゃんと、そうやって、見ててくださいっ♡ おちんちんに媚びつくためにっ、女の子が恥ずかしい目に遭ってるんですからっ、ちゃんと見てっ♡ 見てっ、見てくださいっ……♡♡ 目を離すなんて許しませんよっ……♡♡) 「んぅぅ……ちゅっ、ちゅっ♡♡」 「あーくっそ……それやば。顰めツラのくせしてうやうやしいの反則だろ…」  快楽を帯びてしっとりと湿った、大人の男性が腹の底から絞り出した低く野太い声。それを聞いたアコの心臓は強く激しく鼓動を打つ。『このオスを悦ばせたい』という願いが叶い、メスとしての充実感が満たされて、子宮がきゅんきゅんと疼く。  しかし、まだ足りない。粗相の償いという意味でも、先生の気を惹くにも。 「っっ……♡ あのっ……♡」 「あ゛ー……?」 「こんなのでっ、射精する、つもりですかっ……♡」 「どういう意味?チンポ頬ずり女」 「っっ……♡♡ その……舐めて…あげても…いい、ですけどっ……♡」  再び本心を繕いかけたアコであったが、鋭い眼光に咎められてたまらず言葉を選び直す。 「ぁ……じゃなくてっ……舐め、て、あげたい、んですけど……♡」 「ほぉーん。まぁ、嘘つかなくなっただけマシか。……にしても、はじめは“絶対に吠え面かかせてやります”とか言ってた癖に、今はチンポ舐めてぇんだ?」 「っっ……♡♡ そ、れはっ……♡♡」 「じゃあ、どっち転んでも自分が得するような勝負持ち掛けてきたんだァ。ふぅーん、小賢しい変態女だったんだね、アコちゃんは」 「うぐぅぅっ…♡♡」  “敗者は勝者の生殖器に奉仕する”―――先生との賭けに負け続けて痺れをきらしたアコが、互いの尊厳を賭けると銘打って一方的に持ち掛けたルールだ。そうとも、この一連の行為の原因は彼女の無茶苦茶な癇癪に端を発した騒動に他ならない。つまるところ、自らの設けたルールで汚泥を被ったのだから、改めてその事情を持ち出されてしまってはアコに反論の余地はない。しかし、彼女が思わず口を噤んでしまった理由はそれだけではない。  ヒナのペット。横乳見せびらかし女。いちばん風紀乱してる風紀委員の名折れ。頭脳担当のくせに知性の足りない服装と品性の欠落した体つきの痴女。数々の悪評はアコの耳には届いても、心にまでは届かないものばかりだった。しかし、先生から吐きつけられた“小賢しい変態女”の一言は堅固な心の殻もろとも羞恥心を射貫き、彼女を『図星を衝かれたメス』として黙らせたのだ。 「なァ、変態アコちゃん」 「っっ……♡♡」 「本気で俺にクンニさせるつもりだったの?」 「……本気、でしたけどっ……」 「あー、ちがう。聞き方変えるわ。クンニしてもらうの、楽しみにしてた?」 「っ、ぁっ……♡♡」  再び心臓を握られたように、アコは肩をびくんっと跳ねさせた。チンポビンタからの説教を経て、先生をお仕えすべきオスと称え遜ってしまったメスの本能が虚偽の申告を許さない誠実さを獲得してしまった今、その問いかけは彼女の“もっとも打ち明けたくない部分”を容赦なく引きずり出す。  普段の温和な先生からは想像もつかない堂々たる威圧感を纏った視線の前では、アコはどうしようもなくただ一匹の女でしかない。 (っっ……♡ ぁ、ぁ、やだっ……♡ おちんちんに頬ずりしながら、打ち明けたくなんかないのにっ……♡ やだっ、やだ、やだやだぁっ……♡♡ 本当にやだぁっ……♡♡ こんな、こんなことになるならっ……もっと、もっとちゃんと伝えたかったのにぃっ……♡♡) 「わ……たしっ……♡」  しかし、決定的な告白が喉元から出かかるまさにその刹那、その葛藤を斟酌した先生が言葉を遮る形で口を開く。 「俺はすっごい楽しみにしてたよ?」 「えっ♡♡ぁっっ♡♡」 「歯止め効かなくなんないように、ちゅーだけの約束にしたけどさ。 ここ二週間ずぅーっと金玉に精子貯めてきたんだもん。おかげですっげーイラついちゃっててごめんな。怖かったよね?」 (あ、ぁ、ずるいっ……ずるいっ♡♡ それ今言うの、反則じゃないですかっっ……♡♡) 「わ、たし……だって……し、してましたっ……♡」 「何を?」 「っっ♡♡ だからっ……♡ クンニしてもらうのっ、楽しみにしてましたぁっ……♡♡」  アコは回数こそそれほどではないものの、その分たっぷりと時間をかけて己を焦らすようなオナニーをするタイプだ。  自分ですら顔を顰めたくなるような徹夜明けのまんこを啜らせ、彼が必死になってクンニ奉仕をする姿を見下ろしながら、両方の乳首をくにくにと捏ね回す。先生がオナ禁を貫いていた一方で、アコはこの二週間むしろ毎日のようにそんな妄想をオナネタにして、モチベーションを高めてきたのである。 《続》

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Twitterの方も消えた?のかこちらで書き込みますが、何個か読めない作品があるようで…また読めるようになってほしいのですが難しいでしょうか?…

ぴろしき

最高of最の高でした。

TR


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