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①【悲報】名家生まれの格好いい系武道家⁠ポニテ女子ちゃん、マゾ拗らせすぎてクラスメイトのデブ童貞くんと両想いになってしまう《9000文字》

 興りはかの大将軍から御恩を賜りし譜代大名家の流れを汲み、将軍職を家職として継位なされると定めてより下賜されたこの飛島(とびしま)の地を、代々与り治めてきた由緒ある旧家——それが我が生家・桑原家である。幕府が斃れたことで一時は城地収公となったものの、やがて維新の時代を迎えて以降は華族に列し、貴族制度が廃されるまで飛島の発展に尽力し続けた。令和の時代を迎えた現在もその影響力は健在で、選挙の時期が近づくと県議会議員はそれこそ当然のように、何人もの秘書を抱えた先生と呼ばれる政界の重鎮すら挨拶に参られる。  第三十四代目当主たる父の長女として生まれた私もまた、聡明かつ気高い精神を持つ勇士たれと育てられた。幼い頃より分家の古武道場に通い詰めて心身を磨く鍛錬に明け暮れ、それ以外の時間は学業に費やすことで文武両道の体得に専心する。桑原家に生を受けた人間としての当然の責務。その在り方を疑問に思ったことはない。とはいえ、桑原が代々受け継いできた伝統はともすれば時代錯誤と呼ばれるものであり、同世代の若者の価値基準に照らせば、私——桑原和葵(あおい)は高校生にもなって遊びのひとつも知らず、同年代の流行も追わずにいる、面白みの欠けた人間であるのだろう。  はてさて、そんな私にも趣味と呼べるものがある。自慰行為である。巷ではオナニー、マスターベーション、セルフプレジャーなど様々な呼び名が浸透しているが、個人的にはマンズリが気に入っている。センズリやパイズリのように男根を喜ばせる行為“○○ズリ”の同列に女の自慰行為があげつらわれる扱いは、女がいずれ男に犯される時のために自ら穴を耕して準備する様を揶揄した男尊女卑⁠の意味が含有される。まさに恥ずべき行為の実態にぴったりな恥ずべき呼び名。では、⁠先んじてお目汚しの失礼を謝罪しつつ、私のマンズリの模様を解説しよう。マンズリの呼び名をあてがってはいるが、ただおまんこをほじくりまわすだけのオーガズムでは充分な満足は得られない。オーガズムとは溜め込んだマグマを一気に決壊させるようなもので、それまでにどれだけの快感を蓄積できたかがアクメの質を左右する。ねっとりじっくりそれでいてしつこくイジメてやることが肝要だ。  まずは撫でまわしてみたり、爪でカリカリと引っ掻いてみたり、愛撫とも呼べない刺激から始める。この時、いきなり性感帯は触らない。あくまでもマッサージの要領だ。こそばゆいがじれったいに変わるまで、足の裏でシーツを蹴りたくなる気持ちをぐっと抑え込みながら全身を満遍なく嬲ってゆく。狙い目は首筋や脇腹や鼠径部といった部位。太い血管が皮膚の表面を這っていたり、筋肉の層が薄かったりするおかげで、刺激が真皮のすぐ下に張り巡らされた神経に届きやすい。そのうち全身がぽかぽかと火照ってきて、一斉に毛穴が開いたみたいに汗が滲みだす。身体中に張り巡らされた性感のアンテナが開いた合図だ。男性諸兄からしてみればここまでの下拵えが非常に面倒に感じるだろうが安心してほしい。こうなるともう女は——いや、私は何をされてもきもちがいい。両手では抱えきれない大きさの乳房を乱雑に揉みしだくでも、べっちょり張り付いた下着の中に手を突っ込んで適当にクリトリスを弄りまわすでもいい。傷口に消毒液を塗り込まれるがごとく、大胆大袈裟な感じっぷりを見せるだろう。自分を嬲ってくれる相手に媚びついた反応を示し、イジメられることをせがんでしまう、淫乱なメスの反応だ。性的な快感でよがるならまだいい。しかし、私という女は輪をかけて度し難い。告白しよう、私が快楽にも増して好むもの、私にとっての自慰。それは打擲(ちょうちゃく)だ。胸、腹、腿、尻といった部位を手のひらで張るのである。鈍い痛みで呻きたい時にはゲンコツを、鋭い痛みで仰け反りたいなら平手打ちをオナニーと称して自らの身体に浴びせている。手のひらに吸い付く肌でむっちり詰まった肉がダイナミックに弾ける――その瞬間、痛みが走るのとともに、まるで水気を含んだスポンジが握りつぶされたみたいに、頭の中でじゅわぁっ……♡と、えもいわれぬ心地よさが溢れ出すのだ。これがもうたまらない。他者の生命や尊厳を脅かし、己が悦を満たすために振るわれる無法の力。それこそが暴力であり、士道を重んじるものとして唾棄すべき概念である。誇りある桑原の娘として、私は暴力を好まない。だが、暴力が私を好んでいる。たわわに実った乳をシバけばぶるんぶるんと毬のように跳ねまわり、平手打ちを受けた脂肪の厚い尻は甲高い嬌声を思わせる破裂音を鳴らし、へその下のあたりを拳でドンドンとどやしつけられると瞼の裏がちかちかと明滅する。そのいずれもが名も知らない暴漢の魔の手によってもたらされた凌辱と想像すれば、頭がおかしくなりそうな(もうなっているのかもしれない)ほどに興奮する。DV男は女の敵だが、マゾメスにとってはかけがえのない理解者である。そうして痛みに嬲られたあとだからこそ、気持ちイイだけの手マンが悔しいほどにキく。車道の隅で轢死したカエルのように下品に股を広げ、中指と薬指を根元まで肉壺の奥深くまで差してこんで激しくかき回す。もう片方の手で自分の顔をひしゃげさせるようにして掴んだり、セルフビンタを浴びせたり、あえて頬を撫でてみたり。妄想の中の強姦魔が浴びせてくる気まぐれな暴力、気まぐれな優しさに絡め取られて喘ぐ私。口先では悪を誹る言葉を呟きながらも、尻を宙に浮かせながらヘコヘコと腰を振ってしまう。いったいどちらの気持ちが私の心を支配しているかなど言うまでもない。こんなオナニー姿を家族に見つかれば、きっと怒りを通り過ぎて呆れられ、人格そのものの欠陥を疑われて、訥々とした説教が始まるだろう。一体どうしてだと問われれば、こう答えるしかない。私が愚かな思い上がりをしていたからです、と。  桑原家お付きの家臣一族が開設する古武道場で私の存在は異質だった。男ばかりの環境に交ざった、桑原本家の血筋を引く女。三十人を超える同年代の門下生たちと同じ指導を受け、同じように扱われてはいても、彼らとのあいだには明確な一線があった。私はそれを幼いながらに理解していた。否、理解しているつもりでいた。組み手をすれば連戦連勝の文字通り敵なし。ゆえにこそ門下生たちの慇懃な態度は私が実力で勝ち取ったものであると信じて疑っていなかった。その時点からすでに、おろかな勘違いは始まっていたというのに。  ある時、私は彼らが水浴びをしている場面に遭遇する。どこからかホースを引いてきて、水を掛けあうたわいもない馬鹿騒ぎ。汗ばんだ道着を脱ぎ捨ててお互いの身体を叩き合うさえしているその姿に私は息を呑んだ。はだけた道着から垣間見える胸筋、ボコボコと盛り上がった力こぶ。さながら不純物を追い出して硬度を高められている最中の錬鉄のよう。当時の私は私立金雀枝(えにしだ)学園の中等部に進学したばかりで、身体つきが年々女らしいものへと変わってゆくことに煩わしさを感じている真っ最中だった。膨らみ始めた胸のせいで足元はだんだん見づらくなっており、運動の際にぷりぷりと揺れる腿や尻が疎ましい。そんなことに私が悩まされている一方で、彼らは順調に強靭な肉体を作り上げていたのだ。衝撃だった。ずるいとさえ感じた。そして、ふと違和感が生じる。彼らの身体は筋肉の鎧を纏いつつあり、私の身体は脂肪の重りが増している。なのに未だ試合では彼らに苦戦した試しがないのは、あまりに不自然ではないだろうか。純粋な膂力や体格の差が顕著に実力に反映される武道において、女が男の集団に混じるというのはとんでもないディスアドバンテージだ。そんなことは理解しているつもりだった。自分には不利を物ともしない実力があると得意げになっていた。けれど、努力すれば、鍛錬を重ねれば、それだけで本当に経験の差や性差をも覆せるものなのか。であれば、一体、私の何が彼らに勝っていたのだろうか。身体の扱い方か、洗練された技の冴えか、はたまた研ぎ澄まされた集中力か。  ——否、『家格』である。本家の人間である私を立てるために、彼ら分家の人間は真の実力を発揮せずにいた。体育会系の厳しい上下関係がある男所帯の中でも一目置かれる存在になったのは実力があったからではなく、本家の人間の『武道ごっこ』に付き合ってくれていただけだったのではないか。その類推を捻くれた妄想だと掃き捨てられない、それでいて確かめる勇気もない程度には、私は心の奥底で自分に課せられた女の宿命を受容していたのだと思う。ただそうはいっても受け入れたくはなかった。否定したかった。だから、勝負を挑むことにした。最悪の可能性を打ち払うために。勝負の演目は腕相撲に決めた。思い返せば、腕力だけで技量を推し量ろうとするなど短絡的すぎる発想だが、当時の私は真剣だった。相手はここ数日で体験入門にきた、武道未経験者の新入り門下生。彼は仲間内からだらしない体型を指摘されているちょっぴりどんくさいタイプだった。彼なら桑原分家の息がかかっておらず、忖度を知らないから前哨戦にはちょうどいい。彼がひとりになるタイミングを見計らって勝負を持ち掛けた。あまり乗り気でなさそうだったけれど、もし勝てたら掃除当番を変わってあげると提案したら承諾してくれた。そして、いざ組み合って——私は愕然とした。ただ太ましく脂肪を固めただけに見えるぷよぷよの腕が、いくら押してもうんともすんとも動かない。一方の彼は私の手を握りながら、「やわらけっ……折れちゃいそうだ……」などと心配し始め、握る手にも全然力が入っていない始末である。同代一の実力者である自分が初心者に非力な女の子扱いされる。それは幼き頃から自らを律し、強く気高くあることに誇りを感じていた当時の私にとって、屈辱以外の何物でもない。あっという間に頭に血がのぼって渾身の力を込めた。それなのに、組み合った太腕はびくともしない。彼はずっと冷静だった。やがてタイミングを見計らい、全力を出し切って力が入らなくなった私の手を赤子の手をひねるようにこてんと倒してみせた。ただの負けではない。膂力の差、さらに精神的な未熟を突き付けられたうえでの、取り付く島もない完敗だった。体験入門に来た、武道未経験者の男の子に負けた。それはすなわち、日頃から彼を叱咤している他の男子全員にも私は劣ったということ。かくして指の骨こそ無事であったものの、私の心は完膚なきまでにへし折られてしまったのである。  その日の落ち込みようはとにかくひどかった。彼に代わって掃除をした時の記憶は真っ白に擦り切れて覚えていない。自分の部屋に帰ってきてベッドに倒れ込んでやっと敗北の実感が私を襲ってきて、悔しさのあまりひとり嗚咽した。己が愚鈍に悶えながらベッドの上をのたうちまわった。ひとしきり騒々しくしたあと、少しだけ冷静さを取り戻した頭で認めたくない現実を考えた。門下生たちがずっと私に対して手抜きをしていたことについて。多少だらしない部分も目に余るが、それでも同門の仲間である彼らは断じて他人を愚弄するような非道の輩ではない。となれば、あれは自らの意志による私への愚弄ではなく、分家から指示された本家の人間への斟酌だったと考えるのが自然なように思われた。良心と責務の板挟みにされ、結果として歪な忠を選ばざるをえなかったのだ。厳しい上下関係が敷かれる体育会系の世界で実力者気取りの女を接待するなぞ、さぞ看過しがたい役目だったことだろうに。彼らは不満をおくびにも出さず、私のために仮初の日常を演じてくれていた。その尽力を誰が責め立てられるだろう。怒りや鬱憤の矛先を彼らに向けることは不当な追及であり、桑原の教えに反する。  私は初歩に立ち返ることを決めた。朝は誰よりも早く武道場に来て、道具の手入れや掃除、タオルの準備といった門弟の中でもいちばんの見習いに課される務めに取り掛かる。黙々と作業へ従事することで、自分の内側を見つめなおす精神修練に励む。⁠箒で塵を掃き、一意専心して床を磨く。そうやっているあいだ、私は妙に落ち着いた気持ちになった。まるで等身大の自分でいられているような、あるべきところにあるべきものが治まったかのような心地よさ。それでいて胸がソワソワする不思議な感覚。その気持ちの正体を突き止めることができないまま月日は流れて、中等部三度目の春。本来見習いたちの仕事だった武道場の朝支度が私の領分となって久しい頃、何の前触れもなくその時は訪れた。きっかけは教室の後ろで駄弁っていた男子たちのたわいもない会話である。 「来年から三年生かぁ。新入生どれだけ入部してくれるかな~」 「だから最初はちやほやするんじゃない? で、入部してからたっぷり扱く」 「あー、確かに。⁠俺らも一年の時は、奴隷みたいな扱いだったもんな?」 「それは言い過ぎ。あ、でも、先輩のパシリやらされたっけ」 「そーそ、結構⁠便利に使われたじゃん! ⁠やーっと使える側になれる~!」 「おいこら、滅多なこと言うなって」  『ちやほや』『奴隷』『パシリ』『便利に使う』——それは私の境遇を第三者視点から端的に言い表した言葉だった。精神修練をうたっておきながら、私の心はずっと陰徳を積む修練である掃除や道場の手入れを男たちのための下働きと認識していた。本当は知っていたのに、見て見ぬふりをしていただけ。素のスペックではどうあがいても男に劣ると思い知らされたあの痛烈な敗北体験が私の心にひそかに根を張り巡らせ、宿主の味覚を司るコードをずっと書き換え続けていたことを。時間と労力を搾取される立場へと凋落することを安堵し、快く思う感性を認めるわけにはいかなかったから。おそらくはそこが決定的な分岐点だったように思う。  気づいてしまってからというもの、妄想が私の頭の中に棲みつくようになった。いつも世話してやっている門下生たちが私を軽んずるのである。もちろんそんなことは現実にはありえないけれど、日常のふとした瞬間にふとそんな妄想が膨張する。たとえば、彼ら同士が接するのと同じ気軽さで「和葵、掃除ありがとな~」なんて言葉をかけられる、など。現実からほんの少しありえるかもという可能性が広がってゆくイメージで、これがいやにリアリティがある。さっきの続きで言えば、彼らが私に対しても男子の内輪ノリを持ち込むようになり、やがて、頭をわしゃわしゃと撫でられたり、顎を掴んだまま指先でむにゅむにゅと頬を潰されたり、唐突に肩を組まれたり、すれ違いざまにお尻を叩かれたり、打ち解けたがゆえの悪ふざけとセクハラの境界が曖昧になっていった。そして、ある時、私は罰ゲームで男子便所の掃除をいいつけられることになる。男子たちのニマニマした視線を感じながら、黙々と便所掃除に勤しむ私。すると、それを見ていたうちのひとりがこんなことを言い出す。「和葵も男子便所使えよ。お前ひとりしか使わない女子トイレなんかもったいねーじゃん。立ちションしろよ」 この時点で私はすっかり彼らの言いなりになることを受容している。道場の雑務を全て担当する私は、逆説的にいちばんの見習いでもある。  周囲を取り囲む有無を言わせぬ圧力に逆らず、私は彼らの目の前で袴を脱ぎ始める。男子と同じく立ったままの排尿を促される。道着の裾で剥き出しになった下半身を庇っていると、男の子のうちのひとりがしびれを切らして私の頭をバシッと叩く。理由もなく手が出るようになった彼らに対して、従順であるしかない私は女の子が絶対にしちゃいけないポーズを強要される。ティッシュペーパーのない小便器の前で、膝を少しだけ折り曲げながら腰を突き出し、おまんこを指でくぱぁっと広げるのだ。恥ずかしがって足を閉じたままだとおしっこが太ももを伝ってしまうので、足から抜き取った袴とパンツは近くの男子に持ってもらう。激しい羞恥心を噛み殺しながら、けしかけられてする放尿。うまく狙いが定まらず、飛び散ってしまっているヘタクソなおしっこを外野から囃し立てられ、このあとには掃除までやらされる。お尻を丸出しにした情けない格好で四つん這いになって自分のこぼしたおしっこを掃除させられる、ひどく惨めな私。以来、仁王立ちで便器に向かう男子たちのあいだに挟まり、下半身素っ裸で放尿することを私は義務付けられる。後ろを通る男子たちは、ぎこちなく用を足す私の便器をニヤニヤと覗き込み、お尻をぺちぺち叩いてわざとおしっこを飛び散らせるなどのイジワルもしてくる。小便器にはもちろんトイレットペーパーが備え付けられていないので、おしっこの水気を切るには膝を曲げながら腰をかくかく揺らす、水切りならぬ、おまんこの尿切りまでさせられ。男子便器に向かってヘコつく姿を笑いものにされ。⁠そこから私へのイタズラは一線を越える。道着の襟を引っ張られ、インナーのキャミソールにまで指をかけられて、下着の中にまで手を突っ込まれるぐらいは日常茶飯事だ。彼らは私を恥ずかしがらせる悪戯に主眼を置くようになる。〇学生の女の子なんて、ちょっぴり色気づいた背伸びをからかわれるのが何より恥ずかしい。たとえば、下着。当時バストサイズがFカップあった私はスポーツ以外ではすっかりスポブラを着用しなくなっていた。同年代よりも一足早く大人びた意匠の下着を着けることには心理的な抵抗感がある。それを男子にからかわれるのがもうたまらなかった。⁠両腕はそれぞれ取り押さえられた状態で、着衣のままのブラを引っ張られ「おら、母乳出してみろよw」と揶揄われる。恥ずかしさのあまり、私は暴言を吐きながら憤慨する。けれど、それを生意気だと思った彼らは私に更なる制裁を加える。さながら胸倉を掴んで持ち上げるようにショーツを激しくおまんこに食い込まされ、つま先立ちを強いられるのだ。女子なんか腕力だけで持ち上げられるぞという男子の腕っぷしの強さを見せつけられると同時に、最近生え始めたばかりの産毛のような陰毛をはみ出すTバック姿にさせられてしまう、恐怖と羞恥の波状攻撃。始めこそ威勢よく「やめろ、おろせっ」と騒いでいたのに、その格好のままどやしつけられているうちに、「っ……♡ わかっ、わかった、からっ……♡ おろしてっ……おろしてってばぁっ……♡」などと泣きべそをかき始める惨めっぷり……。その日以降、⁠私の下着の中にぺっぺっと唾を吐き捨てる、わけのわからない男子の悪ノリが流行。ショーツには油性ペンで「唾捨て場」「タンつぼ」「ゴミ箱」とラクガキを施され、挙句その下着を脱がされて、男子たちが遊ぶキャッチボールの玉にされ、スカートを抑えながら強く怒鳴ることもできなくなった私は「返してっ……返してっ……♡」と弱弱しく叫ぶばかり。セックスという行為にいまいち実感が伴わない中〇生の頃の妄想はだいたいこんな感じだった。  ⁠私の頭の中に棲みついたのは、女の尊厳を糧にして育つ悪辣な種子。その種は性癖の奥深くに根を下ろし、完全に癒着してしまっていた。最悪な妄想に歯止めをかける手立てなど存在しない。できることといえば、もたらされるムラムラを発散する対症療法だけであり、その手段であったはずのオナニーの魅力に憑りつかれるまで時間は然程かからなかった。  ……はい。お聞きになった通りです、お父様、お母様。桑原の家を支える分家の皆々様にも多分なご配慮をいただき、家系ぐるみで和葵を大切に育ててくださったこと、大変有難く思っております。しかし、晴れて裳着(もぎ:女性で言うところの元服/成人の儀/16歳)の齢を迎えた和葵は、道場の男子便所を掃除に背徳的な愉悦を見出す女になってしまいました。ゴム手袋を抜き取り、素手で便器を磨くことに興奮を催す己の感性をひたすらに恥じいるばかりです。高校進学に合わせて買い与えてくださったスマートフォンはおそらく、私が世俗の澱みに染まってしまうのを危惧してフィルタリング機能をかける設定になさったのですよね。ですが、あれは残念ながら全くの手遅れでした。和葵がもっぱらマンズリに使うオカズはYou〇ubeに垂れ流されている、居酒屋のライブストリームです。誰とも知らない男性のゲラゲラと大笑いする声や、酒に酔って汚らしくなった言葉遣いによる喧噪を聞きながら、自分の身体を殴ったり、痛いぐらいに引っ張ったり、おまんこほじりをしたりします。名家桑原の名に恥じぬ凛々しく勇ましい才媛という評価は、全くの見当違いなのです。一皮剥けば、見るにも聞くにも堪えない惨めな負けっぷりを希求してしまう女、それが私なのです。誠に申し訳ございません。桑原の家の威厳を保つため、恥ずべきマゾであることは隠して生きていきたいと思います。ただこの子宮を疼かせるほどの運命の伴侶を見つけた時にはどうかご容赦ください。家の存続のためには相手方の血筋や家柄、経済力といったものも重視すべきと心得てはおりますが、和葵に巣食ったマゾ因子と混ざっても負けない強いオス様には否応なく惹かれてしまうと思われます。  それでは、本日も日課のマゾオナニーを披露いたしますっ……♡ セルフ腹パンキメながら、無様なおっぱい伸ばし足ピンアクメするところをご覧ください……う゛ッッ♡♡ ん゛ぉ゛っ……♡ ぉ゛っ、ォ゛ッ……♡ 声っ、抑えられ、ないッ♡ お腹ドンドンすると、漏れるッ……♡ う゛ッ♡ う゛ッ♡ 声出るっ、声出るッ♡ う゛ッ♡ 最低だっ♡ 最低の、オナニーでっ……♡ う゛ぅぅぅ~~ッ♡♡ イ゛クっ♡♡ イっ、ぁっ、あ゛ぁ゛ぁ~~~ッッ……♡♡ 《続 ②へ》


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